編み物道具の話

Knitting Belt&Steel Needless

KittingBlet

  • ベルトの全体
  • 編んでいるときの姿
  • ニッティングベルト

もう、12年も前の話になってしまいましたが・・・。
覚えている方もあるでしょうか?
『海の男たちのセーター』(ヴォーグ社刊)の発刊記念の
伝統の編物をめぐるツアーを募集したことを。
これがシェットランドと私の始まりでした。

1泊だけのシェットランド。ついた日の数時間の自由行動でした。
私は日本を発つ前から『ニッティングベルト』となるものをこの目で確かめ、
あわよくばこの手に持ち帰ろうと考えていました。
他の人たちが、フェアアイルのセーターを見たりしている間、
私は一人メインストリートをデイパックをブンブンいわせて走っていました。
『ニッティングベルトはありますか?』編物関係のものを置いているお店を一軒一軒訪ねました。
手芸材料屋さんが教えてくれたのは『シューショップ』靴屋さんでした。
靴屋に飛び込んで見回してもどこにもなく、自分の聞き間違いかと焦りました。
こわごわ「ニッティングベルトを探しているのですが?」と、私。
ニコニコと笑って奥から店員さんが出してきてくれたものは、
てかてかと光ったチョコレート色の細長い楕円形で、
周りを細い革でぐるぐると荒くかがってあるものでした。
おまけにベルトは切りぱなしの簡単なビョウウチでした。
自分の想像だけが膨らんで手作りの凝ったベルトを思っていたので、
その簡単なつくりに拍子抜けしたのを覚えています。

現在のシェットランドでは、ほとんどの編物関係のお店にベルトは置かれています。
私が最初に手にしたものは中の詰め物が化学のファイバーものでした。
昔から使われているのは、馬の毛が詰められているもので、手で縫ってあるものです。

  • 針を刺す部分
  • 体にあたる部分と針を刺す部分両面を真横から
  • ベルトのつけ方(右利きの人は右側に)

使い方ですが、腰につけ右脇に楕円のパッドの部分がくるようにする。
(右利きの人)ここにスチールの針をさします。
編み方の感じとしては、左手の編み針を常に動かし、
右は毛糸をかけるだけといったものです。
島の人たちは、輪編みにするのですが、前後身頃を2本の針に分けて、
3本の編み針で編みます(日本式に、3本の編み針にわけて4本で輪編みをしない)、
また、編地が編み貯まってくると編地の裾をベルトにはさんだり、
裾のゴム編みにぐし縫いで他の糸をつけ、
それをベルトにはさんで編地の重みが針にかからないようにして、
編みの速度が落ちないようにしています。

追記

ニッティングベルトを作るのに使う道具 ニッティングベルトを作るのに使う道具
ベルトの詰め物 もやもやしてるのはベルトの詰め物。裁断した馬の毛と、弾力性を出すために椰子の毛を合わせたものが使われる。
白茶が馬のたてがみ。
革包丁 ニッティングベルトを切り出すための楕円形の革包丁。カーブが綺麗に切れる。
ベルトのコバを面取りする道具 ベルトのコバを面取りする道具。
ベルトを切り出す道具 ベルトを切り出す道具。

KittingBlet

ベルトを使うのに、必ずいるのがスチールの編み針です。
長さが40センチ、サイズは3サイズだと記憶しています。
私は背が小さく、腕も短いのでまったく向こうのニッタ―さんのようには使えず、
編み針をベルトに刺すのでなく、穴から穴へつき通すことによって、
針の編みよい長さを調節しています。
スチール針は、竹針のようなしなりがないので、
手首を痛めないように注意が必要です。

追記

編み針は元々、ワイヤーを使って自給自足していたものですが、 その後はスコットランド本島の工場で仕入れ、売っていたようです。 今はこの鉄製の編み針を作ってくれる工場も一軒のみになったようです。

去年の11月ラーウィックに開店した手芸屋さん”LOOSE END” (特にやることが決まってない時は、この店に来てやることを見つけて・・・という意味)では、 ドイツ製の鉄製の針が売っていました。