シェットランドへリセットの旅

 私のシェットランドとの関わりを「編み物の本」という形でまとめさせていただき、この次、島で私は何を感じるのか、とてもワクワク・ドキドキとして旅立ちました。それもいつもより遅く、夏の終わりのシェットランドに降り立ちました。

 空港はリニューアルされ、見送りの人々が旅立つ人を最後まで見送れるように、搭乗待合室に大きな窓が設けられていました。短いようで、長い一年をこんな時に感じます。

 今夏は「夏というより、冬のような天気で寒いし、晴天の日が少ない」という情報が、すぐには信じられないような青空。中心地ラーウィックに向かって運転していると、自然と顔がほころんでしまいました。「やっぱり私はここが好きだ」過ぎゆく景色・海岸線・羊たち・カモメ・ウサギ・この空気感。そんなことを感じている自分にほっとしました。

 気温は確かに低く、風がとても強い日がほとんどでした。ウールのものは必ず着ていました。島の人々は、風が少し収まると、半袖やタンクトップになって太陽の恵みを身体一杯に受けようとしていましたが・・・。

 前から興味のあった、伝統の透かし柄の手袋(特に指なし)を習うことができました。ウィルマのアトリエで手伝いをしているアイリーンに毎日通って習いました。

 休みの時はルイーズのアパートで編み物をしたり、友人を訪ねたり、一人でドライブして、写真を撮ったりしていました。しかし一週間も過ぎると英語にうんざりというか、自分の進歩のない英語・思いを伝えられないもどかしさにうんざりしてしまい、すべてから逃げて一人でいることに逃げ込もうとする自分がいます。

 「すごく疲れているから」と、ドライブも断ろうとしました。でも、簡単に来られないシェットランドで、地元育ちの人が、私のために私があまり行ってない島の南部分をドライブしてくれる・・・。「英語がなんだ」こんなことですばらしい体験を逃してはいけない。勇気をふるい、三脚とカメラを担いで、翌日友人の家に出かけました。

 すばらしかった!! 本当に行ってよかったと心から思いました。

 これが正直なシェットランドの姿です。きっとこんなふうに落ち込む自分・うんざりする自分があるからこそ、人々の暖かさ、自然の包容力に喜び愉しむことができるんだと改めて感じる旅でした。

シェットランド情報

1つめ旅情報として、テロの影響か、年々機内持ち込み(特にハサミ・毛抜きなど)の先のとがったものが、できなくなりました。あらかじめ預けるスーツケースに入れておくしかなく、うっかり機内の持ち込みの手荷物に入っていると没収、あるいは自分で面倒な手続きをし、あげくには封筒に入れて自宅へ郵送する手続きをしなくてはなりません。残念ながらこれに編み針もお仲間入りしてしまいました。編みながらの移動ができなくなりました。皆様も気を付けて。(アバディーンの空港で輪針没収されました)

2つめシェットランドカレッジのサマーコースは現在行われてていません。というよりも、カレッジにKnittingのコースがなくなったのです。個人的に習うのも、前よりも教えてくれる人を捜すのが難しくなっているようです。

3つめ本に書きましたが、日本の方々が多く個人輸入しているジェイミソンアンドスミス社(現地名はウールブローカーズ)が、シェットランド農場主のイバからイギリス人兄弟に売られてしまいました。毛糸屋部門としてそっくりそのまま働く人もいるのですが、これを機に退職したり、パートタイム業務に移った人たちもいます。また、ウールブローカーズの事務所兼倉庫兼店舗の建物の老朽化が進んでいるので、移転も考えているようでした。しかし持ち主が変わったこともあり、なかなか難しいようです。それでも皆明るく前向きなので、どんな風に変わっていくかこれからが楽しみです。

4つめ「SHAELA」が基本的に輸入しているピーターの工場では、なんとラルフローレンから売り出す"お犬様"のチェックのセーターを仕上げていました。大きな体のピーターが、小さな犬の不思議な形のセーターを作っているのは、少々おかしかったです。「これも仕事だから」とピーターも苦笑いしていました。

5つめこんな風にシェットランドにも間違いなく現代の風が吹き込んでいます。古き良きものが輝きを失わずに新しいものと共存してくれれば良いなあと、私は思っています。

佐藤ちひろ

私の大好きなシェットランドの原風景。そしてこのグレイッシュな色彩

モーリーばあさんの墓の近くの湖に白鳥の家族が戻って行くところ。ずいぶんと大きくなってしまった"みにくいアヒルの子"たちです。

ピンクのホクシア(フクシア・フューシャ)。友人Rosaの"Lea Garden"で。

"Lea Garden"の入り口近くに作られたばかりの"船をかたどった花壇"。来年どんな風になっているのか楽しみです。

上の写真をアップにしたもの。人が渡っているのがwかりますか? 来年これを渡りましょう

不思議な光景。共存? 羊の背中で休む鳥。

不思議な光景。何と痛ましい。子うさぎをいただくカモメ。それをじーっと見ている羊。